鈍色のピアス
2020.6.21. 02:29
どこかの村の倉庫より(ほぼ文だけになったであります。)
「よし、ラヴァ整備行くよ~!」
「キリリ・・・キリリ・・♪」
あたいがウォースミスになってから1年と少し。整備の手は迷いなく、ほかのドワーフより想いを込めて幾分かゆっくりとすすんでいく。心臓部のコアパーツを止めない限りラヴァは止まらない。だから整備中いろんなことしゃべると返事をしてくれるんだ。
コロロロロ・・コトン・・・
「キキ・・?キリリ・・」
「あぁぁ、なんかがどっかいっちゃった・・@」
・・・こんな風にうっかり転がした小さな部品を目で追って教えてくれることもある。このやかんの鼻アシスト(名前が付くほど世話になってる)がなければもうすでに7~8個の部品はなくしているはずだ。あたいは角っこにころがったナットを拾い、分解掃除ケースに振り分けた。すると、またラヴァがあたいになにがしかのシグナルを発した。
「キュキュキュッ・・?キリリリ・・」
「どしたの?」
ラヴァがゴーレムながら首をかしげるような動きをしている。まわりを見回すと、金床の縁に、留め具をなくした耳飾りがあった。落したばかりのようで、危うげに鈍い光を放っている。あたいが作ったり買ったりして、使っている覚えはない。あたいは、不器用ができる範囲の加工で、小さめのオーナメントが短くつりさがるイヤリングが好きだ。じゃ、なんでラヴァが気にしたんだろう。
「これ、あたいのじゃないね・・・」
「キリリ・・キリリリ・・・・?」
拾い上げてよく見てみる。これはウィザードや戦士の好む耳元で特徴的に輝く一点物の耳飾りなんかじゃない。日の光も月の光もチラリと小さく光りかえす少し曇った鈍色で、小さな魔石が星屑のように埋め込まれたピアス。接近戦の剣士や、集中力を要する遠距離弓使いが好みそうな、ただ防御のためだけの、無骨なアクセサリー。(これ、なんか転用したやつじゃなかった?)
接近戦の剣士、といえば思い当たる。明るい茶色の短髪で、両手剣ひっさげたあいつ。
「これ、リクの指輪からつくったやつじゃん・・なんであたい・・」
あ、はっきり思い出した。無理やり「空飛び便箋」に結わえつけて修理依頼がきてたんだ。これがあたいのとこにきたのは2日前。宛名に驚き、ちょっとハネ気味の続け字を心臓ひっくり返しながら読んでたんだっけ・・@こんなのまだリクには言えないけどね。
~リクト~
スミスライフどう?儲かってる?wおれはきちんとしたウォーリアとして生計たてとーよ。でも、グラディエーターらしゅう闘技場で戦うんは小遣いほしいときだけや。あとは傭兵で魔物おっぱらってたり、魔法材料集めるんの手伝いしたりしとる。
あんたが作ってくれたもんは、まだまだ現役で使ことるけど、こないだ耳飾りの留め具をどっかやってもうてな・・・せっかく指輪かいて作ってもうたのにどないしょーかと思て、書くついでに送ってもーたねん。ごめんな急に。でも、買い替えるのもいややねん。ケチって言うてるわけやない。まだ、これ使いたいんや。・・・愛着があるからしぶとく修理できたらええねんけど、どうやろ・・ちょっと見るだけみてぇや。
・・・あんなもの、愛着持ってつかってくれてるんだ。
今のあたいからみてもあまりにもシンプルでいかにも「練習品」ってかんじなのに。
でも、胸が詰まりそうになるくらいうれしい。正面切って言えないけど、大好きな人なんだもん。
なんか、あいつはプライドの配分がおかしいんだよ・・ヒューマンのなかでもあいつは変だよ。
開いてるかどうか、離れてるとわかんない細い目でどこみてんだかわかんないし
大きな手はあたいの背中を不意にぽんぽんしてくるし
ドワーフって心臓まで頑健な奴ばっかじゃないんだよ!
そこはわかってくれてないんだよなぁ・・・。
・・気を取り直して、ラヴァの整備を先におわらせなきゃ。
「これ、修理依頼のやつだよ。大事なもの。ラヴァ、ありがとね!」
「キュッキュ!」
パーツを磨いて、集中力を切らさないように・・
ガランガラン ゴロン(蓋のねじの締めが甘かった
キッキリリーーー@
あぁぎゃぁぁ!だめだ@ラヴァが分解する@@@
手汗を拭い、もう一度固定のねじをキリリと締めた。
「ごめんね、ラヴァ・・ありがと」
「キュッキュキュー」
「さ、もうひと仕事いくよ。待っててね!」
金床の前に椅子を持ってきて、グローブをはずす。あいつはアレルギーもなにもなかった、ただ、丈夫でホールが小さいパーツがいいって言ってたはず。オリハルコンのパーツがあるし、それで加工しよう。色さえなんとかすれば某商人の町のおばちゃんよろしくアデナをぽけっとにつっこんでくることもないはずだ。
(ちょっとばれると「あんたお代取らんと商売できへんで!!!まちなっ!!」って走ってくるし、意外とコーナリングキュキュッとまがって追いついてくるしなぁ)
他人にはなんだかんだおまけして魔法書売るくせに、そこが妙に几帳面。
こないだ魔法書卸したときははお代はいらぬと珍しく逃げ切ったのにラヴァのヤカン頭に代金とお菓子二つはさんであったなぁ。もうあたいの行動よまれてんだなぁ・・・。小包みにしてばらけないようにしてあったし。
もくもくと留め具のパーツを作り、ばれないよう加工を施す。すきあらばチラチラと、あいつの顔があたいを惑わしてはペンチで指をちみっと挟む。
じわじわと凶悪に痛い。
ずるいよ、気が付いたらあたいばっかり、あんたのこと考えててさ。
・・・加工が終わるころにはラヴァが鼻で絆創膏を一枚、あたいの手元にちょいちょいと寄せていた。
「あ、ありがと・・今回は左手薬指のへりだったね・・」
「キリリリ・・・・@」
そっと手当てをして完成品を見上げた。
鈍色には変わりないが、幾分かきれいに仕上がった。
ふと、あたいの心に魔が差す。これ、ちょっと試着してもわかんないよね・・?
鏡の前に行き、ピアスを付け替える。無骨な光がきらり、と光った。おもしろがりだけど、集中すると鋭い瞳の精悍なあの顔が重なった。
思い切って丸パン頭をおろしてみる。片耳だけ見えるように横に編み込んでゆるいみつあみにしてみた。
・・・少しは似合う気がした。でも、悪いことをしている気がしてさっさとピアスをはずして、もとの丸パン頭に戻した。やっぱあたいはこっちが似合うや。でもたまには左右のパンのどっちかに花の一本挿してみようかな。
次の日に依頼の品を小さな箱に入れて、手紙をつけて送った。書いてる途中でうっかり寝ちゃって起きてから大急ぎで書き直したの。
書き直したやつの文末には、勇気を出して
「晴れた日に浜辺で遊ぼう」
と書いた。ちゃんと伝わるかな。この日行こうって返ってくるかな。
ピアス、喜んでくれるといいな。
あかんわ、魔法攻撃が強烈なボディーで入るわ。いつもより大量のポーションを飲んだくれ、酒なんぞ入る余地のない水分摂取量で熱中症に太刀打ちして修理品を待っとる日々。まぁ、おやじの家系で酒飲めへんサイドの血やからええねんけど。
(おやじはダークエルフやけど、ドレビアンワイン?あれ飲んで兵士時代救急搬送されたっていうとったわ。んなん毒のんだんと変わらへんでwおかんはオークやで、がぶがぶ飲むねんけど。)
なじみの洋菓子店でサブレを買うて、屋台でワニパン(網目模様のパン。ワニ感ゼロ)買うて、依頼主が用意してくれた宿屋に向かう。
腹が減りこけてまだ焼き立てでぬるいワニパンに噛み付く。ついたころには半分食うてた。
「お帰り。また買い食いかい」
「ただいま。食い盛りや」
「油断すると腹身ついて好きな子に幻滅されるぞ」
「ほな一緒に食わすw」
「お前ってやつぁ・・・w ほら、郵便だ。こないだのあれじゃないのか」
「おー、おおきに。」
来た。口をもぐもぐさせて部屋のかぎをもろて、「夕飯もうすぐやからほどほどにしておけ」と説教を背中で流した。
無理やり封筒に詰めたピアスは、丁寧に小包まれとった。ありゃやっぱりむりすぎたんやな。
~カンパーニュ~
そっちは雨降りの季節かな?暑いしけがにも気をつけてね。
ピアスの留め具は作れたよ!ついでにきれいに磨いてみた。あたいの作ったやつ使ってくれててありがとう。ちょっと胸いっぱいになっちゃったw
スミスはもうからないけど、村にいる頃よりタフに生きてる気がするよ。
リクもいっぱしのグラディエーターになってかっこいいよ。たまに名前聞くもん。意外と地域密着型なんだね~。
エルモアとの国境もちょっと雨降りしてるよ。でも、そろそろ晴れ日に浜辺で遊ぼうよ。前みたいに会えたらうれしいな。
頬が緩むのを感じた。おれの手元には幾分かきれいになったお気に入りのピアス。パンもサブレもテーブルに置いて、ちっちゃな鏡の前にいって右耳につけた。これでやっとおさまりようなったわぁ。
・・・・待って、なんか足りん・・・。
請求書は?
前から言うてるやん、材料費と手間賃は取れと。いや、おれが見逃しとるだけかも。封筒をもう一回探そうと手紙を手に取ったとき、夕日にすかしてカンパンの丸っこくてちっちゃい字の余白にさらにちっちゃいなんかが見えた。
(なんや、これ・・・?)
日が暮れてきてるのに、さっきより鮮明に見えて来とる。筆跡は見たことない。し、多分印字や。
「カンパーニュトキミナカヨシ、マルデコイビト。」代筆ラヴァ
ストレートな代筆やな。
今日一のボディブローにおれはよろめく。
それにこれ、ラヴァからの密告やないかい。
あのロボは・・そうか、そんな想いも持っとるんやな。カンパンが組んだもんらしいわ。
幼馴染のような、戦友のような近しさ。これは、おれあいつのこと好いてたんやな。そうや。言い訳しとったんや恥ずかしいで。
それは置いといてそろそろあいつと会いたかったし、返事かこかな。
ちょっと進んだカンパンとリクト、でありました。挿絵のssがカンパンよろしくどっかころがしてしまったのでほぼ文章で構成されてしまったであります・・;
オークとヒュマのコメディより先に、できあがったしまったのでイルミのあの人に捧ぐ、であります!
あぁ、楽器とぽんぽんの写真もどこへいったのでありましょうか・・ゴソゴソガラガラ。
「よし、ラヴァ整備行くよ~!」
「キリリ・・・キリリ・・♪」
あたいがウォースミスになってから1年と少し。整備の手は迷いなく、ほかのドワーフより想いを込めて幾分かゆっくりとすすんでいく。心臓部のコアパーツを止めない限りラヴァは止まらない。だから整備中いろんなことしゃべると返事をしてくれるんだ。
コロロロロ・・コトン・・・
「キキ・・?キリリ・・」
「あぁぁ、なんかがどっかいっちゃった・・@」
・・・こんな風にうっかり転がした小さな部品を目で追って教えてくれることもある。このやかんの鼻アシスト(名前が付くほど世話になってる)がなければもうすでに7~8個の部品はなくしているはずだ。あたいは角っこにころがったナットを拾い、分解掃除ケースに振り分けた。すると、またラヴァがあたいになにがしかのシグナルを発した。
「キュキュキュッ・・?キリリリ・・」
「どしたの?」
ラヴァがゴーレムながら首をかしげるような動きをしている。まわりを見回すと、金床の縁に、留め具をなくした耳飾りがあった。落したばかりのようで、危うげに鈍い光を放っている。あたいが作ったり買ったりして、使っている覚えはない。あたいは、不器用ができる範囲の加工で、小さめのオーナメントが短くつりさがるイヤリングが好きだ。じゃ、なんでラヴァが気にしたんだろう。
「これ、あたいのじゃないね・・・」
「キリリ・・キリリリ・・・・?」
拾い上げてよく見てみる。これはウィザードや戦士の好む耳元で特徴的に輝く一点物の耳飾りなんかじゃない。日の光も月の光もチラリと小さく光りかえす少し曇った鈍色で、小さな魔石が星屑のように埋め込まれたピアス。接近戦の剣士や、集中力を要する遠距離弓使いが好みそうな、ただ防御のためだけの、無骨なアクセサリー。(これ、なんか転用したやつじゃなかった?)
接近戦の剣士、といえば思い当たる。明るい茶色の短髪で、両手剣ひっさげたあいつ。
「これ、リクの指輪からつくったやつじゃん・・なんであたい・・」
あ、はっきり思い出した。無理やり「空飛び便箋」に結わえつけて修理依頼がきてたんだ。これがあたいのとこにきたのは2日前。宛名に驚き、ちょっとハネ気味の続け字を心臓ひっくり返しながら読んでたんだっけ・・@こんなのまだリクには言えないけどね。
~リクト~
スミスライフどう?儲かってる?wおれはきちんとしたウォーリアとして生計たてとーよ。でも、グラディエーターらしゅう闘技場で戦うんは小遣いほしいときだけや。あとは傭兵で魔物おっぱらってたり、魔法材料集めるんの手伝いしたりしとる。
あんたが作ってくれたもんは、まだまだ現役で使ことるけど、こないだ耳飾りの留め具をどっかやってもうてな・・・せっかく指輪かいて作ってもうたのにどないしょーかと思て、書くついでに送ってもーたねん。ごめんな急に。でも、買い替えるのもいややねん。ケチって言うてるわけやない。まだ、これ使いたいんや。・・・愛着があるからしぶとく修理できたらええねんけど、どうやろ・・ちょっと見るだけみてぇや。
・・・あんなもの、愛着持ってつかってくれてるんだ。
今のあたいからみてもあまりにもシンプルでいかにも「練習品」ってかんじなのに。
でも、胸が詰まりそうになるくらいうれしい。正面切って言えないけど、大好きな人なんだもん。
なんか、あいつはプライドの配分がおかしいんだよ・・ヒューマンのなかでもあいつは変だよ。
開いてるかどうか、離れてるとわかんない細い目でどこみてんだかわかんないし
大きな手はあたいの背中を不意にぽんぽんしてくるし
ドワーフって心臓まで頑健な奴ばっかじゃないんだよ!
そこはわかってくれてないんだよなぁ・・・。
・・気を取り直して、ラヴァの整備を先におわらせなきゃ。
「これ、修理依頼のやつだよ。大事なもの。ラヴァ、ありがとね!」
「キュッキュ!」
パーツを磨いて、集中力を切らさないように・・
ガランガラン ゴロン(蓋のねじの締めが甘かった
キッキリリーーー@
あぁぎゃぁぁ!だめだ@ラヴァが分解する@@@
手汗を拭い、もう一度固定のねじをキリリと締めた。
「ごめんね、ラヴァ・・ありがと」
「キュッキュキュー」
「さ、もうひと仕事いくよ。待っててね!」
金床の前に椅子を持ってきて、グローブをはずす。あいつはアレルギーもなにもなかった、ただ、丈夫でホールが小さいパーツがいいって言ってたはず。オリハルコンのパーツがあるし、それで加工しよう。色さえなんとかすれば某商人の町のおばちゃんよろしくアデナをぽけっとにつっこんでくることもないはずだ。
(ちょっとばれると「あんたお代取らんと商売できへんで!!!まちなっ!!」って走ってくるし、意外とコーナリングキュキュッとまがって追いついてくるしなぁ)
他人にはなんだかんだおまけして魔法書売るくせに、そこが妙に几帳面。
こないだ魔法書卸したときははお代はいらぬと珍しく逃げ切ったのにラヴァのヤカン頭に代金とお菓子二つはさんであったなぁ。もうあたいの行動よまれてんだなぁ・・・。小包みにしてばらけないようにしてあったし。
もくもくと留め具のパーツを作り、ばれないよう加工を施す。すきあらばチラチラと、あいつの顔があたいを惑わしてはペンチで指をちみっと挟む。
じわじわと凶悪に痛い。
ずるいよ、気が付いたらあたいばっかり、あんたのこと考えててさ。
・・・加工が終わるころにはラヴァが鼻で絆創膏を一枚、あたいの手元にちょいちょいと寄せていた。
「あ、ありがと・・今回は左手薬指のへりだったね・・」
「キリリリ・・・・@」
そっと手当てをして完成品を見上げた。
鈍色には変わりないが、幾分かきれいに仕上がった。
ふと、あたいの心に魔が差す。これ、ちょっと試着してもわかんないよね・・?
鏡の前に行き、ピアスを付け替える。無骨な光がきらり、と光った。おもしろがりだけど、集中すると鋭い瞳の精悍なあの顔が重なった。
思い切って丸パン頭をおろしてみる。片耳だけ見えるように横に編み込んでゆるいみつあみにしてみた。
・・・少しは似合う気がした。でも、悪いことをしている気がしてさっさとピアスをはずして、もとの丸パン頭に戻した。やっぱあたいはこっちが似合うや。でもたまには左右のパンのどっちかに花の一本挿してみようかな。
次の日に依頼の品を小さな箱に入れて、手紙をつけて送った。書いてる途中でうっかり寝ちゃって起きてから大急ぎで書き直したの。
書き直したやつの文末には、勇気を出して
「晴れた日に浜辺で遊ぼう」
と書いた。ちゃんと伝わるかな。この日行こうって返ってくるかな。
ピアス、喜んでくれるといいな。
あかんわ、魔法攻撃が強烈なボディーで入るわ。いつもより大量のポーションを飲んだくれ、酒なんぞ入る余地のない水分摂取量で熱中症に太刀打ちして修理品を待っとる日々。まぁ、おやじの家系で酒飲めへんサイドの血やからええねんけど。
(おやじはダークエルフやけど、ドレビアンワイン?あれ飲んで兵士時代救急搬送されたっていうとったわ。んなん毒のんだんと変わらへんでwおかんはオークやで、がぶがぶ飲むねんけど。)
なじみの洋菓子店でサブレを買うて、屋台でワニパン(網目模様のパン。ワニ感ゼロ)買うて、依頼主が用意してくれた宿屋に向かう。
腹が減りこけてまだ焼き立てでぬるいワニパンに噛み付く。ついたころには半分食うてた。
「お帰り。また買い食いかい」
「ただいま。食い盛りや」
「油断すると腹身ついて好きな子に幻滅されるぞ」
「ほな一緒に食わすw」
「お前ってやつぁ・・・w ほら、郵便だ。こないだのあれじゃないのか」
「おー、おおきに。」
来た。口をもぐもぐさせて部屋のかぎをもろて、「夕飯もうすぐやからほどほどにしておけ」と説教を背中で流した。
無理やり封筒に詰めたピアスは、丁寧に小包まれとった。ありゃやっぱりむりすぎたんやな。
~カンパーニュ~
そっちは雨降りの季節かな?暑いしけがにも気をつけてね。
ピアスの留め具は作れたよ!ついでにきれいに磨いてみた。あたいの作ったやつ使ってくれててありがとう。ちょっと胸いっぱいになっちゃったw
スミスはもうからないけど、村にいる頃よりタフに生きてる気がするよ。
リクもいっぱしのグラディエーターになってかっこいいよ。たまに名前聞くもん。意外と地域密着型なんだね~。
エルモアとの国境もちょっと雨降りしてるよ。でも、そろそろ晴れ日に浜辺で遊ぼうよ。前みたいに会えたらうれしいな。
頬が緩むのを感じた。おれの手元には幾分かきれいになったお気に入りのピアス。パンもサブレもテーブルに置いて、ちっちゃな鏡の前にいって右耳につけた。これでやっとおさまりようなったわぁ。
・・・・待って、なんか足りん・・・。
請求書は?
前から言うてるやん、材料費と手間賃は取れと。いや、おれが見逃しとるだけかも。封筒をもう一回探そうと手紙を手に取ったとき、夕日にすかしてカンパンの丸っこくてちっちゃい字の余白にさらにちっちゃいなんかが見えた。
(なんや、これ・・・?)
日が暮れてきてるのに、さっきより鮮明に見えて来とる。筆跡は見たことない。し、多分印字や。
「カンパーニュトキミナカヨシ、マルデコイビト。」代筆ラヴァ
ストレートな代筆やな。
今日一のボディブローにおれはよろめく。
それにこれ、ラヴァからの密告やないかい。
あのロボは・・そうか、そんな想いも持っとるんやな。カンパンが組んだもんらしいわ。
幼馴染のような、戦友のような近しさ。これは、おれあいつのこと好いてたんやな。そうや。言い訳しとったんや恥ずかしいで。
それは置いといてそろそろあいつと会いたかったし、返事かこかな。
ちょっと進んだカンパンとリクト、でありました。挿絵のssがカンパンよろしくどっかころがしてしまったのでほぼ文章で構成されてしまったであります・・;
オークとヒュマのコメディより先に、できあがったしまったのでイルミのあの人に捧ぐ、であります!
あぁ、楽器とぽんぽんの写真もどこへいったのでありましょうか・・ゴソゴソガラガラ。
紅魔フレイムさん , バニラルンさん , なおんちょさん 他5さん が 「いいね!」と言っています。
-
「プライドの配分がおかしい」の一文で、リクトさんの人柄が伝わってきましたw
リクトを略してリク、カンパーニュを略してカンパンというのも可愛いくて良いと思います。
じれったい間柄というのは、誰かが背中を押してあげないと進まないのかもしれませんね。
ラヴァくん(ちゃん)、GJでしたw -
いつしかついていくあだ名は、なぜか短縮系が多いのであります。リクトは、ゲーム内でもおばちゃんのようなファイターなので、伝わった通りイメージしていただいたら間違いはありませんw
ラヴァが2人とも進む方向へ突き飛ばした形にはなりましたが、ぐっどサインをいただいてうれしそうにキリリ♪と言っていそうでありますw -
カンパンとリクのお話、前回のまでさかのぼって読んできました。
うわあああ!浜辺に!浜辺に行きましょう!
叫びましょう!!
チェローカさんの表現はどれもがキラキラとしていて、お気に入りの物をたくさん収めた宝箱のようなよみものでした。
読ませていただいて本当にありがとうございます。
ラヴァさんの動く音がすぐそこから聞こえてくるようでした。
ピアスをこっそりつけて、髪をおろして編んでみるあたりが特に好きです。ああ、でも、全部好きだなあ。 -
わぁ!とてもすてきな小説ですね。くすぐったいですw
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いつもだれかの名前がけずれている、、、なぜでありますか、、、!
-
馬路さん
続きからみていただいたのでありますね~!
これは、もう行くしかないのでありますwおべんともっておやつをもって、ありったけの勇気も忘れずに…!
こんなにほめられるとこしょばいのであります〜(*/ω\*)
ちょっと近づきたくておしゃまなことしたカンパンでありましたが、ちょっとおしゃまがくすぐったかったようでありますw
ぜんぶほめてしまうのは、うう、ずるいであります!ww
Aliceりあさん
読んでいただいてありがとうございますm(_ _)m
ほめていただいてこしょばくて転げてしまうであります!
もう、彼らもなかなか進まないのでありますよ…w
突き飛ばしでもしないといけないのかもでありますw -
挿絵のSSは いったいどこへ転がってしまったのかしら!!( ゚Д゚)
ウチのSS倉庫に入ってないかしら!!! -
なおんちょさん
もはや手描きでつくりなおすしかないのでありましょうか・・!
もしかすると送り先をまちがえてなおんちょさん宅へ転がってしまったのでありましょうか!!嗚呼!w
としたら、なぜお好みのめがねなめがねssでなく挿絵を送り付けてしまったのでありましょう・・;つД`) -
リネはMMOでバトルものだから当然、狩りにしても戦うゲームなんですが
この世界にはこの世界の生活が当然あるはず。
この物語のドワーフの生活感!
すてきです。
あとね、ワニパンってなんだ@v@と思って検索してみたら
もろワニの形のパン画像がいっぱい出てきました^^ -
バニラルンさん
それほど生活味はないにしろ、ゆえに色々考えてしまうであります。
機械があれば、整備はなされるはずだ、と…w町にひとつくらいおいしいものの買い食い箇所はあろう、と…w
でもそんな単純な所を好んでくれる人がいてくれてうれしいのであります!
ワニパンは、こちらでいうメロンパンなものであります。
あの網目模様のパンに、申し訳程度のしっぽと顔がくっついている代物で、バターの香りのする菓子パンでありますww(とっさに作りましたw