デジャカル
2006.6.23. 13:24
2月3日
狩場でドワーフの子供を拾った。
傍らには親であろう爺が死んでいた。どうやら熊に襲われたらしい。
ひ弱な種族のくせにオークの領域にまで踏み込んでくるからこうなるのだ。
子供は連れて帰ってくる。
太らせてから喰おう。
2月20日
狩に連れて行ってみた。ちっとも戦力にならん。
脆弱なドワーフの、しかも子供に期待するほうが間違いだった。
弱いだけならまだしも、好奇心で危険に突っ込んでいくのは勘弁してくれ。
ものめずらしげに呪術を見ていた
太らせるためにメシは たらふく喰わせる。
3月7日
以前の狩り以来、奴を連れ歩くのをやめている。
それが悔しいらしく、家事の合間に戦斧の練習をしている。
下手くそだ。われらオークの足元にも及ばんな。
まあ、心意気は認めてやろう。
4月11日
亀の歩みのような狩りの進歩に業を煮やし、初歩の呪術を教えてみた。
驚いたことに、ドワーフのくせに素質が有るようだ。
ソウルクライをしながらはしゃいでいた。
喜ぶのは良いのだが、料理の腕前もなんとかしてくれ。
5月1日
ドワーフの習性である『死体漁り』を戒めた。
仮にも崇高な精神を持つオーク、その村に住むものがやるべき所業ではない。
だいぶとしょげていた。きつく言い過ぎたかもしれない。
5月2日
全身草の汁にかぶれて寝込んでいる。
『なぜアタシは緑色じゃないぽ・・・。みんなと一緒がいいぽ・・・。』
泣きじゃくりながらの訴えに、どう答えれば良いのか。
小さな手を握り締めながら途方にくれる。
5月20日
カカイ様の御力で、オークに生まれ変わらせる試練を受けられることになった。
ありがたい。本当に感謝いたします。
夕飯を食べながら、『絶対オークになって、シャーマンを目指すぽ!』と はしゃいでいた。
まだ試験の内容は伝えられていないが、何があっても良いように、若い頃に使っていた装備を譲ることにする。
あの小さな身体に合わせるので だいぶ縮めなきゃいかんな。
5月30日
試験の通達があった。
内容は・・・『ドワーフの首を持ってくること』
泣き出しそうな笑顔にかける言葉などない・・・。
われらはカカイ様の御厚情を悟った。
6月1日
試験の旅立ちの日。
抜けるような青空の下、二人連れ立ってゲートキーパーに向かう。
もう帰ってこないだろう。本来居るべき場所に帰るだけなのだ。
お古の装備に身を包んだ小さな・・・小さな家族よ。
オークの証、勇猛のネックレスをその首へ。
ゲートの光に包まれながら、別れの言葉を交わす。
『でじゃかるパアグリオ!でじゃかるオロカ!でじゃかる・・・お父さん・・・。』
デジャカル・・・娘よ・・・。
狩場でドワーフの子供を拾った。
傍らには親であろう爺が死んでいた。どうやら熊に襲われたらしい。
ひ弱な種族のくせにオークの領域にまで踏み込んでくるからこうなるのだ。
子供は連れて帰ってくる。
太らせてから喰おう。
2月20日
狩に連れて行ってみた。ちっとも戦力にならん。
脆弱なドワーフの、しかも子供に期待するほうが間違いだった。
弱いだけならまだしも、好奇心で危険に突っ込んでいくのは勘弁してくれ。
ものめずらしげに呪術を見ていた
太らせるためにメシは たらふく喰わせる。
3月7日
以前の狩り以来、奴を連れ歩くのをやめている。
それが悔しいらしく、家事の合間に戦斧の練習をしている。
下手くそだ。われらオークの足元にも及ばんな。
まあ、心意気は認めてやろう。
4月11日
亀の歩みのような狩りの進歩に業を煮やし、初歩の呪術を教えてみた。
驚いたことに、ドワーフのくせに素質が有るようだ。
ソウルクライをしながらはしゃいでいた。
喜ぶのは良いのだが、料理の腕前もなんとかしてくれ。
5月1日
ドワーフの習性である『死体漁り』を戒めた。
仮にも崇高な精神を持つオーク、その村に住むものがやるべき所業ではない。
だいぶとしょげていた。きつく言い過ぎたかもしれない。
5月2日
全身草の汁にかぶれて寝込んでいる。
『なぜアタシは緑色じゃないぽ・・・。みんなと一緒がいいぽ・・・。』
泣きじゃくりながらの訴えに、どう答えれば良いのか。
小さな手を握り締めながら途方にくれる。
5月20日
カカイ様の御力で、オークに生まれ変わらせる試練を受けられることになった。
ありがたい。本当に感謝いたします。
夕飯を食べながら、『絶対オークになって、シャーマンを目指すぽ!』と はしゃいでいた。
まだ試験の内容は伝えられていないが、何があっても良いように、若い頃に使っていた装備を譲ることにする。
あの小さな身体に合わせるので だいぶ縮めなきゃいかんな。
5月30日
試験の通達があった。
内容は・・・『ドワーフの首を持ってくること』
泣き出しそうな笑顔にかける言葉などない・・・。
われらはカカイ様の御厚情を悟った。
6月1日
試験の旅立ちの日。
抜けるような青空の下、二人連れ立ってゲートキーパーに向かう。
もう帰ってこないだろう。本来居るべき場所に帰るだけなのだ。
お古の装備に身を包んだ小さな・・・小さな家族よ。
オークの証、勇猛のネックレスをその首へ。
ゲートの光に包まれながら、別れの言葉を交わす。
『でじゃかるパアグリオ!でじゃかるオロカ!でじゃかる・・・お父さん・・・。』
デジャカル・・・娘よ・・・。
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最初はギャグ路線かと思ったのに・・ 何、これ!? なぜか読み終わった後に目から汗が・・・
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うわ!いい話!!ドリやるやん!!こんな路線を隠し持っててんやあ さすが全てに壁覗きするだけあるなあ
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いぁ~、いい話ですね~;;
いい話にしておいて、最後に結局食べたオチ来るかと思ったのは私だけでしょうかwww -
ドリさん節が効いて面白いです><b
フツ板のあのドワ娘の作品と何気にコラボしてるかもw -
ドリ・・・とってもいい話ぽ;w; ウチはも~れつに感動してるぽよ;w;
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はじめギャグ路線だと信じきっていただけに最後が・・・・
くぅぅぅぅぅぅ・・・・・ -
・・・・・・・・・・・・・・・・;w;(嗚咽
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5月30日 かゆい かゆい どわ子ーコタ うまかっ です。
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4 かゆい デジャうま (ネタ判らない方すみません、ネタ判る方ごめんなさい
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うぅ~、いいお話だったぽ~・・・ つAT)
短い分で、人を感動させるのはスゴイですぽ~^^ -
最近、涙もろくなりました。 何度読んでもうるうるしてしまう っw;)
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最近、涙もろくなりました。 何度読んでもうるうるしてしまう っw;)
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普通にいい話だし(つ_;)。
いや、悲しいお話に「いい」は無いかもしれないけど・・・。 -
私もはじめギャグ路線だと思ってました。。
フランツにちょと顔出してた頃にドリルさんの作品を拝見させてもらってたのでなおさら・・w(失礼^^;
しかし切なくも心温まるお話ですねえ。。
泣き出しそうな笑顔・・・そしてオークのお父さんの心情を思うと・・・
・・・グッと来ました(ノ_ ;) -
すごすぎる@@
独自の日記スタイル。
短い文章でも、目に浮かぶ情景ととキャラの表情。
前半、マジでわらったけど、後半、一転して悲しくなるなんて予想外。
こんなネタどこで思いついたんだ@@
Good 2回押させてもらいます。
ほんとにすごい@@ -
あ Good1つしか押せないのね^^;
続けて書き込みすみません -
(=TェT=) ゥワーン 泣けたコレ(T-T) ドリルさん斬新!!
-
泣けた(T^T)
こんな文章書いてみたい… -
短い分、非常に洗礼されていると思います^-^
ありがちな内容ではあるけど、書くには非常に難しい作品だと思う。。。
え?泣いてなんかないもん・・・・(つA:)グスッ -
いい作品ですね。 久しぶりに小説を読んで泣きました。
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ヤバイ、勝手だけど続きが次々に浮かんでくる~>w<;
彼女ももうすぐ20歳になる。
「いつか、お父さんに何か作ってあげよっと^^」
そう心に決め、アルティザンとして、日々頑張っている。
彼女とオーク、再び心触れ合うその日まで・・・
・・・とかねw
頑張れ、ドワ娘~^^ノシ(ってか、死体漁り禁止なんで、職人決定w) -
お見事。てか、もう他の言葉が思いつかないw
こんなん書かれてしまったら兜脱ぐしかないです。ハラショー^^ -
グスグス(ノ_・。)。おみごとです@@@
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じーん;; いい話だぁ>< 大好きです。
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すごいとしか言いようがない~><
アタシも草の汁塗りたくってみたくなったぽ -
まだ読んでくださってるとは・・・。ありがたいです。(つw;)ノ
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カカイ様と親父も熱いね、灼熱すぎるよ!
オークの至宝ブレイブネックレスを娘へ授ける親父・・・
泣ける。