そしていよいよ、いよいよこれから借りた分のお金を返済できるような力をつけれそうなところで
ある日突然、
島 が 死 ん だ。
何を言ってるかわからないでしょ?私もわからなかった。
突然死んだ。全く予想もつかなかったわ。だって誰も何も そんなこと言ってなかったから。
ある日突然、全く稼ぎの出ないクソみたいな場所になっていたの。
昨日まで目を輝かせて、寝る時間を削ってでも通ってた黄金の場所が、まるで輝きを失って
ラーメン屋の裏のゴミ捨て場みたいな場所になっていたんだ。
何が起こったのか知りたくて役所に行ったんだけど
役所のひとの話じゃ元々こうだったって話をされたわ。
納得いかない人達は、全員捕まって一人残らず皮をはがされた。
毎日一生懸命島に通ってた人たちは「こういうもんだよ・・・」って諦めてしまったわ。
私は一体何を夢見てここまで来たんだろう。何のために生まれたんだろう。
もう師匠にあわせる顔がない。借金の返済もできない。
途方に暮れてると 役所の脇に頭を抱えてうずくまってるダークエルフがいた。
彼の名はクオッカといい、世界一幸福な動物って言われているクアッカワラビーに由来しているらしい。
「寂れた港で釣りでもするか・・・」
そう言うと彼は、ボロボロの釣り竿を持って ヨロヨロと港へ歩いて行った。
私も何かしなきゃ・・・・
そして私は
妹弟子達と 盗賊になった。
あの人も島で稼げなくなった人なのかな・・・
でも生きてくためには仕方ないよね・・・
罪悪感を押し殺し
私は今日も仕事をこなす。
「身ぐるみ全部いただくわよ。」
「あっ、エリザベスのアガシオン持ってたわ。売ってお金にしましょ。」
「・・・この人もきっと・・・あの島から追い出されたんだよね・・・」
「ええ・・・でも見て。魂が帰っていくわ。あの島に・・・」