さまよう魂
僕の名前はクオッカ。
この名前は世界一幸福な動物って言われているクアッカワラビーに由来しているんだ。



僕には暗殺業を営む親がいて「お前も一人前になって稼いでこい」って言われて、数Gという大金を借りて旅に出たんだ。途中苦しい場面もあったけど、ある「島」へ行けば稼げるって言ってたからそこまでたどり着こうと頑張って修行した。


そしてついにその「島」にようやくたどり着いたんだ。
そこは確かに凄かった。普段の3倍は稼げる「夢の島」だったんだ。

でも現実は甘くなくて、たどり着くだけじゃダメだった。そこで稼ぐにはかなりの装備と力も必要だったんだ。

だから僕は親にさらに借金をして装備をそろえた。
もちろん毎日修行もした。
それも全てこの「夢の島」で稼いで、借りたお金より多くのお金を返せば済む話だ!ってそう思ってたから。

そしていよいよ、いよいよこれから借りた分のお金を返済できるような力をつけれそうなところである日突然、


島 が 死 ん だ。


何を言ってるかわからねーと思うが、俺も分からなかった。
突然死んだんだ。全く予想もつかなかった。

ある日突然、全く稼ぎの出ないクソみたいな場所になっていたんだ。

昨日まで目を輝かせて、どんなに忙しくても通ってた黄金の場所が、まるで輝きを失って、スラム街のゴミ捨て場みたいな場所になっていたんだ。

どうなってんだこの野郎!!って役所の人間に詰め寄った人たちは牢獄に入れられた。役所の話じゃ元々こうだったって話だ。
毎日一生懸命島に通ってた人たちも「こういうもんだよ・・・」って諦めてしまった。

僕は一体何を夢見てここまで来たんだろう。何のために生まれたんだろう。
もう親元には帰れない。借金の返済もできない。

寂れた港で釣りでもするか・・・


お、メデタイ釣れた・・・

今日は鯛の煮つけかな・・・

あぁ海がキレイだな・・・

日の光が反射して・・・

まるで僕の魂を・・・・


MissSherlockさん , anteさん , 塩と岩さん 他88さん が 「いいね!」と言っています。

  • るるくる 2020.10.14. 13:44
    所詮は「夢の島」だった。
    たったひと握りの「悪党」のせいで、何もかもが、灰塵に帰してしまった。

    だが、我々には「夢」がある。
    こころのうちに、決して消えることのない「夢」が。

    ただ、今は、歩いて行くしかない。
    誰の下にも訪れるであろう「旅の終わり」の日が、やって来るまで。

    +++

    そんなワタシは、魂の島には、2回行ったきりでしたっけねえ・・・
  • 千代りん 2020.10.18. 14:17
    クアッカワラビーの笑顔(に見える真顔)が大好きです。
    最近日本にもやってきたそうで、同県でもちょっと遠いのですが、
    コロナがもっと落ち着いた頃、見にいきたいと思っています。
    ちなみに名前はダイ、チャメ、リコ、ビビになったのだそうです。
    魂の島で稼ごうと、先行投資をしていた方は少なくないと思います。
    あのモンスターたちからアデナを取ってしまったら何が残るのか。
    ただ不便なだけの、虚しい狩り場になってしまいましたね……。