【SSマンガ】雰囲気を変えて、お話でもw【耳袋より】
この世には不思議な事など何もないのだよ、古林君。 サムネ




【耳嚢巻之四「獣の衣類等不分明事」より】

”大坂に古林見意といへる醫師の在りしが、彼の見意が語りけるよし。眞田山の邊に学才ありし老人在りしが、行き通ひて物など尋ね問ひしに、或日人物勿體らしき男、衣服さわやかにて彼老人の許に來る者ありて、”

大阪に古林見意という医者がいて、その見意が語った事
真田山(大阪城の南にある山。後述)のあたりに学才ある物知りの老人が居て、見意はそこへよく行って話を聞いたりしていた
ある日、老人のもとに男が訪ねて来た



”老人遠方來し事を尋ねければ、「用事ありて遠國へ参る間、しばしの暇乞いに來りし」と云ふ。”

ものものしい感じだけれども、衣服の着こなしが爽やかな人だな、と見意は思った。
「おや、藤森(ふじのもり)の。わざわざ遠くからどうしたね?」と老人が尋ねたところ
「用事があって遠国に行く間、しばらく暇乞いに来ました」と男は言った




”當時藤森邊に居候ひし趣にて、彼の老人召使ふ者に申付、他より貰ひし牡丹餅を盆へ乗せて出しければ、”

どうやら男は当時藤森(京都伏見の南あたり。後述)に住んでいる者らしく
老人は召使いに、貰い物のぼたもちを盆に乗せて持って来させ、男に出した




”何か禮謝して彼男人體に不似、手又は箸坏にて不取して、うつむきて口にて食しければ、”

その男は礼を言ってから、立派そうな見た目によらず
箸や手を使わずにうつむいて盆から直にぼたもちを食べた




”「遠方なれ、早々歸るべし」と、老父の辭に随ひ暇乞ふて立ち歸りぬる。”

「あんたのところは遠い、はやく帰りなされ」と老人のあいさつに従って、男は暇乞いをして帰って行った




”跡にて、「藤森までは此邊よりは里数も是あるに、今日暮れに及び歸るといヽひしが、夜通しにも歸ることかや」と、見意彼老人に尋しに、”

あとで、「藤森まではこの辺りから30㎞ほどあるのに…今日夕方になって帰るなんて言っていたけども、夜通し帰るのでしょうか?」と、見意は老人に訊いたところ




”「彼者は暮ざる内に歸るべし。實は狐なる」よし。”

「あの者なら日暮れまでには帰れるじゃろう。実は狐なんじゃ」と。




”且、「彼ものヽの衣服は何と見給ふや」と尋ねける故、「何にか立派には見へしが品は不覚」よし申ければ、”

かつ、「あの物の衣服は何に見えたかね?」と尋ねられたので
見意は「何か立派なものに見えましたが品までは覚えていません」と言ったところ




”「さればとよ、狐狸の類都て妖化の者の着服は何と申事見留難きもの」ヽよし、彼老人語りしを、見意直々に我が知れる人に語りし由也。”

「それはそうじゃろうよ、狐狸の類の妖怪が化けた者の衣服はみんな、はっきり何であるかということが覚えていられないものなんじゃよ」と、老人は言った
…ということを、見意が直々に私の知人に語ったとのこと

サムネに戻る。




…いや、いくらなんでもマッパならさらに印象に残ると思うんですが、京極さん。




【後述の部分】
耳嚢は200年前くらいに根岸鎭衛という人によって書かれた、当時のうわさ話などの面白い話(狐に化かされた、幽霊がどうした等)を記録した文献です

真田山とは、大阪天王寺にある山で、
大阪冬の陣のとき真田幸村が、大阪城の弱点である南方面を強化するため城砦を作った

…とあります

真田山三光神社

1706年あたりには、城砦跡地には狐のよく出る神社があったとか何とかw

藤森(ふじのもり)

伏見稲荷の古い呼称で
耳袋にはほかにも藤森関連のエピソード・巻の二「小堀家稲荷の事」があります




【いつもの穿った見解をひとつw】

・人の印象に残らない、目立たない衣服を身に着ける必要性のある職(まぁ、忍ばないといけませんから…
・直食いするクセがある(手になんか付いてたらいけないから
・天王寺→寝屋川→枚方→八幡→伏見を2時間程度で走破(おかしい移動力



手に何か付いてたら…

人体にたいへんよくない何か




今は舗装された道とはいえ、山越え20kmを1時間ちょいで走る人も居るし


暇乞い、ってことは老人に雇われてたのかな


直行直帰!(藤森・真田山間を

某リーマン忍者
(でも、コイツはタヌキか。狐はプライド高いのであんなにヘコヘコしないw




それより
見意が男の正体を勘ぐりはじめたように見えたから、煙に巻いたんだろうけど
こういう口から出まかせ力は相手との知恵くらべになるから…
不思議なことはなんでも狐のせいにできる時代とはいえ、頭のいい医者をだまくらかすとは
この「老人」こそ何者なんだろ?w
…というのは考えすぎかな?

なおんちょさん , 田中63号さん , 千代りんさん 他4さん が 「いいね!」と言っています。

  • しれーあ2世
    しれーあ2世 2019.5.13. 23:48
    アザリアさんの書き込みはリンクが貼ってあったり、キッチリ作られてるなぁといつも思います。
    いかに僕の動画の内容が、上っ面だけのショボイものか、思い知らされます><;
    DE兄さんが両手に赤いポンポンを掲げた瞬間のSSは、芸術だと思いますw
    あと、杖を突いた爺ちゃんは、僕も好きでネタに使わせてもらってますw
  • アザリア
    アザリア 2019.5.14. 07:35
    あ、しれーあ2世さんお久しぶりですw
    いくら半フィクションとはいえ、ソース(情報源)がないと説得力がなくなるのでw<キッチリとか
    一番爽快そうな瞬間を撮るために、十何枚か撮り直しましたw<激爽ポンポン画像
    爺さんNPCはけっこう味があっていいですよねw
  • 千代りん
    千代りん 2019.5.15. 13:09
    うまいこと首から下が隠れ続けているw キツネさんちょっとそこどいて!
    江戸時代でしたっけ、こうして見ると今でもなんとなく読み取れるものですね。
    冴えた言い回しにはっとさせられることもあります。
  • アザリア
    アザリア 2019.5.15. 19:55
    見せられないよ!(自主規制君)だそうですw>キツネさんちょっとそこどいて!とか
    江戸時代中期~後期ですね。正確なところは俺にはちょっと日本語特有の簡略化がツラいですw
    分解例:さればとよ→さ (あ)れ ば ○○と (なる)(べし) よ→そう である ならば ○○と (なる)(だろう) よ
    さ=「正体がキツネである」
    ○○=「衣服が覚えていられない」
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