「終焉の為の再来・1」(ただの戯言:3)

わたし、シアーシャといいます。
今は、長い長い旅を終えて、ルウン城の村の図書館で、静かに暮らしています。

人それぞれ、生き方があるわけです。
わたしは、誰かと同じ道を歩むつもりはなかったので、
この、見知らぬ北の地で、大切な書物を守る仕事をしています。

生き方は、色々あるわけです。
いのちのかたちに、同じものはありません。
だから、そのいのちの生き方も、同じものはありません。
・・・当然、ですよね?

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わたしの友人は、12年前から、この世界の日々の移ろいの画を撮り、
その画を、とても綺麗に作り上げ、自分なりの世界観を伝えていました。


そのきっかけになった作品・・・友人は、必死になって探していたそうです。
しかし、1万枚近くあった画は、数年前に、ほぼ全部を捨ててしまったそうです。

ただ、手元に1枚だけ、友人が憧れていた加工制作者サンの画があったそうです。






















作者サンのお名前は、忘れてしまったそうです。
微かに覚えているとは言っていましたが、間違えていたらダメだということで、
書かずにおいてほしい、とのことでした。

・・・どうですか? 漠然と撮った画を、ここまで作り込んでしまう腕前!

友人は、この加工(色の塗り込み方)を真似てみたそうですが、
どうしても、同じ出来栄えにはならなかったそうです。
その作者サンに、お話を聞いたそうですが、
「難しいもんじゃないんです、うん。」というようなお返事だったそうです。

そのうちに、その作者サンは、この世界から去っていったといいます。
作者サンは、目を悪くされていた・・・という話を聞いているそうです。

友人は、そのうち、こんなことを理解したそうです。
「ヒトのマネしてても仕方ないんだ。自分の目で見える世界を、自分らしさを以て、表現出来れば」
そうかも知れません。他人の真似をしていても、自分にとっては、何にもならない。
そういうことですものね、生きるということは。





















ギラン城の村、ダークエルフギルドの屋根上で撮った画・・・なんだそうです。
何年も前に撮って、一生懸命に手を加えたものなんだそうです。
ここに、どうやって上ってきたか・・・ それは、今では出来ないことなんだそうです。

「つくづく、昔は良かったなあ」
わたしの友人は、そんなことを、良く言うようになりました。






















こんなものも、作っていたそうです。
何の為に、と、聞いてみましたけど、酷く言葉を濁すばかりでした。

ただ、この世界を盛り上げる企画があったからとか・・・でも、途中で立ち消えになったからとか・・・。









・・・世界は、変わらないようで、変わっていくんですね。

マイちゃんさん , アザリアさん , ohumiさん が 「いいね!」と言っています。

  • ohumi 2019.3.26. 19:11
    お写真素敵過ぎます
  • アザリア 2019.3.26. 20:36
    世界は変わり、すべては過ぎ去って行っても…
    今もまぁ、そんなに捨てたモンでもないっすよw
  • マイちゃん 2019.3.30. 14:43
    写真いい感じですね。古き良き時代って感じで素敵です・w・
  • るるくる 2019.3.31. 14:27
    加工の腕も無く、培ってきた文才も無く、それでも生きてるワタシです(涙w

    コメント感謝。